2012年3月23日金曜日

韓国の教育



日本でも知られているかもしれないが韓国の教育熱は凄まじいものがある。そしてここ韓国で暮らして早3年がすぎ、色々な壁の前にぶち当たってきたが、その中で一部の経験談を書いてみる。

今私の横で年で小学校1年生と幼稚園年少さんになった娘が可愛く塗り絵をしている。が、妹がうまくかけず、上手な兄に怒っている。兄、妹にペンを投げられて怒りつつ、我慢する。よくある普通の兄弟げんか。しかし、以前よりも兄は妹に優しくなった。ここにも理由がある。

長男が習っているものはテコンドーゴルフサッカー剣道。私がネイティブのように教える事ができない韓国語を週に10分先生について習っている。続かないと思うがやりたいというのでバイオリンを始めた。ピアノはやめた。殆どは運動である。韓国で費やす一人当たりの教育費用は一ヶ月何十万とされているが、私の娘と息子は'体が資本'という概念から殆どはスポーツにお金を費やしている。こういう時代だし健康だけは外せないと、体力作りに励むのがいいのではないかと。先生というのは非常に重要である。

私の息子は4才まで何も喋れなかった。アメリカに居て韓国語日本語英語のミックスされた環境に居たからか、私が仕事に没頭していたからか。韓国についた時、幼稚園からはまるで赤ちゃん扱い。韓国に移住して私は子供の為に2年ほど専業主婦に専念する事にした。

お陰で一部言語は回復。しかし当時、韓国語を喋れなかった私と息子は大きな言語の壁にぶち当たる。息子は韓国に住み始めた時、やたら癇癪を起こす事が多かったなーと思う。私も当時、その癇癪に頭を悩ませていた。
4才5才、、、同年代の子が読み書き話を上手に出来ていたけれどもそれにキャッチアップするようにとか、韓国語を全く強制しなかった。ひたすら息子のやる気を待った。結局インターナショナルスクールに入れて自分の居場所を確保したようだった。そこで彼は落ち着いたように見えた。

しかし やはりくる韓国語の壁。実際父親は韓国人、、、。そして現在韓国在住。

キッザニアという色々な仕事の体験ができるという子供の遊び場、いわゆるロールプレイングができるところに行った。大人が入れない子供銀行まである。子供が色々な仕事をし、お金を楽しく稼ぐというシステム。もちろんあくまでもその世界だけで回っている社会だけれどもかなり色々な体験をさせてもらえる。

昨年、韓国にもあるので、長男は親友のジュンヒくんにつられて行ってみる事にした。
ニュースを読んでテレビに出るという仕事を体験したいと親友のジュンヒくんが言う。そこで横でスラスラ韓国語を読むジュンヒくんに対してかなり読めなかったうちの長男じゅん。当時喋れてもスラスラ読めない韓国語を嫌がったが、やってみればできるよと母なりに軽く背中を押してみる。韓国語読めないので出来ませんよとスタッフに冷たく断られ、余計にやりたくなくなる私と長男のじゅん。しかし、しゃべれるからやらせてと親友のママが頼んでくれた。
皆に見つめられ、それでもイヤフォンを通して耳から流れる言葉を繰り返す。絶対やらないとはじめは言ってたけれどもどうにかやり切ったので、、、やたら褒めました。

それからじゅんの韓国語の情熱が芽生え、読み書きがスラスラになった。先生にも何で彼はこんなに勉強をしたがるのかと、聞かれたぐらいやった。タイミングなんです。逆に、母親が韓国語の読解力なし、発音もイマイチなので諦めて自分で解決しようとするのかなあとも思った。日常でパパと祖父母、友人と話せても、それはそこまで止まりなんですね。悔しさと楽しさが自分で勉強するしかないと自分で気づいたようでした。


今の韓国の子供達は親がハイレベルを求め、学校が反応し、また親が求めという悪循環が子供のハードルを異常に高くし、それについていけないと劣等感に陥る、やりたくないのにやる、皆がやってるからやる、というひどい状況。この状況を続けたり、子供のうちからぎゅうぎゅう詰めると、小学校高学年くらいに爆発してしまう生徒も少なくないそう。教育とは一体何が大事なんでしょう。何を教えるべきでしょうか。幼稚園の子、小学生は、考え方や発想、知恵を身につける事が大事なのではないでしょうか。遊びだって勿論大事。時代が違うとはいえ、私は結構遊ばせてもらい自由にやらせてもらえたので、親に感謝しているとともに、同じようにさせてあげたいと思う。


3ヶ国語を相手にしているし、こういう家族構成と環境だから他の子供と言語のレベルを比べる必要はなく、自分は特別だと考えて、という事をいつも教えている。何が彼の得意なのか。これは非常に大事。
たまに、長男じゅん(ヒョンジュンが本名)に、何語で考えているの?と聞くと、すんなり日本語と答える。母親に気を使っているのかと思ったが、そうでもなさそう。学校で使う英語でもなく、日常で使う韓国語でもなく、私と使う日本語なんだそう。不思議ですね。なりたいものも建築家だそうです
そんなものは時がたつに連れて変わっていくでしょうが、いかにこの年の子供が母親の影響力が大きいかわかります。

丁度1年前、長女が同じような問題に突き当たり、長女も長男と同じように苦労しました。彼女は今純粋な韓国の幼稚園にいっています。3歳の子の教材とは思えません。これをやらせたからといって大きくなって何も変わらないので必要最低限で対応するのみ。
こんな小さいのに、、、。
先月の幼稚園の大舞台で顔を真っ赤にして韓国語で自己紹介できた彼女を見て、全く涙止まらず。一時は先生に家庭でも韓国語を使ってくださいと言われ、韓国語は私が教える分野ではないと拒絶した私。それでもここまで自己紹介できたじゃないか。안녕하십니까, 저는 포비반 김현아 입니다 ってしっかりと。これもしっかり褒めました。


今日は長男の面談の日。学校で学んだこと、部屋にあるものを紹介、彼の言葉とペースでプレゼンしてくれるという素敵なものだった。やはりわたしはゆとりのあるこの教育が好きである。日本の教育は最近どうなのでしょうか。結構最近はやらせていると聞きますが、、、。

最近は仕事も自分のペースで復帰しはじめたが、全ては子供主体でまわる目まぐるしい毎日。のびのび育て子供達。

3 件のコメント:

  1. 二人ともよく育っています。安心しました。言葉は思考を形成する重要な道具です。ただしそれはコミュニケーションの道具でしかありません。思考する力、感受性とはある意味では別なのです。貴女の思ったとうりに育てる事が重要です。
     禅の言葉に「啐啄同時」というのがあります、5月は野鳥にとっては子育ての時期です、卵の中のヒナ鳥が殻を破ってまさに生まれ出ようとする時、卵の殻を内側から雛がコツコツとつつくことを「啐」といい、ちょうどその時、親鳥が外から殻をコツコツとつつくのを「啄」といいます。雛鳥が内側からつつく「啐」と親鳥が外側からつつく「啄」とによって殻が破れて中から雛鳥が出てくるのです。

     両方が一致して雛が生まれる「機を得て両者相応じる得難い好機」のことを「啐啄同時」(そったくどうじ)というのです。親鳥の啄が一瞬でもあやまると、中のヒナ鳥の命があぶない、早くてもいけない、遅くてもいけない、まことに大事なそれだけに危険な一瞬であり啐啄は同時でなくてはなりません。
    教育の原点です。自信を持って教育してください。
    父より

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  2. 私達も3カ国語を相手にしています。のでとても理解できます。いつか話をしたいです。
    うちの場合、独語、英語、日本語です。以前は4カ国語(蘭語)でしたが、子供の将来を考え1年半前にベルリンに移住しました。現在私は独語の壁に当たっています。当たりにきました。今、言語の壁が私のキャリアに影響しているのは間違いありません。が、家族の将来の為に、自分の独語習得も義務だと認識しています。とはいえ語学学習はやはり不得意です。
    子供には今のところ、英語独語のバイリンガルの学校に入れています。夫婦間は今のところ英語ですし、親の仕事柄、子供にも英語の環境が与えられるのならという、理由です。それでも、ドイツに住むことで今のところ娘の独語能力は凄まじく向上してくれています。

    日本語の補習校も週一でいれています。親も子も、どこまで続くか分からないけれど、こういう機会があるだけでありがたいと思っています。
    Chikaが信じているように、私も他言語を相手にしている以上、他の子供と比べることは難しいし、子供によってそれはまた違うし、子供に一番近い親が子供の反応を敏感にキャッチしてあげることが重要だと信じています。
    私もフリーですが仕事をしていますから、子供に完全教育を求めていませんし、学校などの周囲の良い環境が子育てに関わってくれていると信じています。ただ、日本からかけ離れたところで日本語をどこまで本人に根付くかは母である私がその機会を与える責任があると感じています。
    習い事は周囲の子もあれこれやっていますが、うちは本人の望む子供ダンスだけで親も子もいっぱいいっぱいなので様子見です。
    結構いい加減なところもありますが、うちも子供がのびのび育ってくれているのでそれだけで満足してるところもあります。
    Chikaのところはは2人なので熱気も倍増なのでしょうが、海外族、お互いがんばりましょう。
    こんどスカイプでもしましょう!スカイプ名は私のフルネーム(アルファベット)です。
    瀬山より

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    1. とは言え、うちの今年6歳で小学校はこの夏から。これからまたどんな言語の壁が彼女に襲いかかるのか。でもそれもじゅん君のようにタイミングと本人の意思なのですね。 そしてChikaのお父様は素晴らしい方ですね。

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